「よし、カメラを買おう!」
ネットで「一眼レフ 初心者」や「ミラーレス オススメ」と検索をかければ、必ずと言っていいほど出てくるのがダブルズームキットです。
その名前の通り、カメラ本体とズームレンズ2本がセットになった商品で、はじめてのカメラとして人気!
売上ランキングなどでも、ダブルズームキットのカメラが上位にランクインしています。
私もはじめて一眼レフを購入した時は、ダブルズームキットを購入しました。
ダブルズームキットを買ったことがある人間から言わせてもらうと、初心者向けで便利そうに見えるけど実は不便な商品構成…。
なので万人にオススメできる物ではない!と言うことをお伝えしたいです。
ダブルズームキットはお買い得!
はじめての一眼レフやミラーレスでダブルズームキットを選ぶのは、カメラとレンズが揃っているのですぐに撮影ができることや、セットでお買い得になっているので選ぶかと思います。
ダブルズームキットはお買い得です!
これは間違いありません。
本当にそうなのか、売上ナンバーワンの「Nikon D5600 ダブルズームキット」を見てみましょう。
※画像引用元:価格.com(https://kakaku.com/)
Nikon D5600 ダブルズームキットのセット内容は
・AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR
・AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR
カメラ本体とズームレンズ2本が付いて、66,526円でした。
では単品で購入するとどうでしょう?
【ボディのみ59,161円】
※画像引用元:価格.com(https://kakaku.com/)
【キット用標準ズーム26,370円】
※画像引用元:価格.com(https://kakaku.com/)
【キット用望遠ズーム36,810円】
※画像引用元:価格.com(https://kakaku.com/)
Nikon D5600 ダブルズームキットをわざわざ単品で購入した場合。
D5600(59,161円)
AF-P DX NIKKOR 18-55mm f/3.5-5.6G VR(26,370円)
AF-P DX NIKKOR 70-300mm f/4.5-6.3G ED VR(36,810円)
合計金額:122,341円となります。
ダブルズームキット(66,526円)に比べ、単品で揃えると55,815円も割高な買い物になってしまうんですね。
ですのでダブルズームキットはメーカーの良心!
かなりお買い得なセットになっているのです!
でもダブルズームキットは良さそうに見えるけど良くない!
商品の金額だけをみると、ダブルズームキットってメッチャお買い得なことが分かって頂けたと思います。
しかも2本のズームレンズで、18mmから300mmまでをカバーできるので、撮れない写真はほぼ無いと言っても良いレベル。
売上ランキングで上位にランクしているのも、当然と言えますね。
でも実際使ってみると、結構使いにくいんですよ…。
ダブルズームキットのデメリットを見てみましょう。
2本のズームレンズが中途半端
ダブルズームキットは18-55mmズームと70-300mmのレンズが付いてきます
多少の差はあれど、どのメーカーも同じ構成。
この2本のレンズの区切りが中途半端なんです。
確かに18mmの広角で撮りたい時もあるし、300mmの望遠を使う機会もあります。
でも、一番よくつかうのは50mm前後の焦点距離なんです。
具体的に言うと24mm~100mmくらいが一番使用頻度が高い。
でもダブルズームキットの場合、「ここは35mmで撮りたい!」「あっ、あの花は70mm無いと撮れない場所にあるな」
こんな場合に、いちいちレンズ交換をしなくてはいけません…。
24-105mmズームレンズならレンズ交換をしなくて良いし、1本のレンズだけ持っていればいいのですが、ダブルズームキットの場合はレンズ交換の回数が増えるし、重い望遠ズームレンズを持ち運ばなければいけないんですね。
これがダブルズームキットが便利に見えて、実際は不便な理由です。
レンズ交換が増えるリスク
さきほどダブルズームキットは、レンズ交換の回数が増えるとお伝えしました。
いや~、カメラを買ったばかりのころはレンズ交換するのも楽しいんですけど、そのうちただ面倒くさい作業に成り代わります(笑)
それにレンズ交換にはリスクもあるんです!
それはカメラの内部にホコリ・砂・水などが浸入してしまうリスク。
例えばお子さんの運動会を、ダブルズームキットを持って撮りに行ったとしましょう。
競技中は70-300mmのレンズが大活躍し、離れた場所からでもお子さんの写真を撮ることが出来ます。
そしてお昼になり、家族でお弁当を食べる。
お弁当食べているシーンも写真に残したいな。と思ったとき70-300mmのレンズでは近すぎて撮れません。
どアップ過ぎますし、そもそもピントが合わせられないと思います。
なので広角で撮れる18-55mmのレンズに交換するのですが、運動会をしてる運動場なんて砂飛びまくってますよ。
そんな中でレンズ交換をしていると、カメラに砂やホコリが混入する確率はかなり高くなってしまいます。
カメラ内部に砂やホコリが入るとどうなるのか?
カメラのイメージセンサーに付着した、砂などが写真に黒い点となって映り込んでしまうんです…。
※わざとコントラストを上げてゴミを分かりやすくしていますが、せっかくの一眼レフが台無しですよね…
どんな写真を撮影しても、黒い点が映ってしまう。
最悪ですよね。
自分で砂を除去するグッズもありますが、基本はメーカーに送ってセンサーの清掃を行ってもらわないといけません。
これを防ぐには、なるべくホコリが入らない環境でレンズ交換をするか、レンズを交換しないかです。
ですので、レンズ交換の頻度が多くなってしまうのは、ダブルズームキットのデメリットとなります。
思ったよりボケない
一眼レフやミラーレスって、高画質さだけではなく、やはり背景が大きくボケた写真を撮ってみたいという気持ちではないでしょうか?
プロっぽく見えますし、なんか写真が上手い人みたいに見えますよね!
私がダブルズームキットを買って、一番後悔したのがボケないことです。
なのでボケた写真を撮りたい人は、ダブルズームキットを買ってはいけません。
レンズの名前にF/3.5とかF/5.6と書かれた部分がありますよね。
この数値が低いレンズほど、背景が良くボケます。
こういったボケ具合が欲しい場合はF/2.8以下、できればF/1.8のレンズがオススメです。
ちなみにこの写真は「TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD」で撮影しました。
背景のボケ具合はF値と焦点距離で決まります。
F値が低いほどボケますし、焦点距離が長いほどボケる。
このレンズはF/2.8ですが焦点距離が90mmと長いので、このくらい大きなボケとなっています。
ダブルズームキットも300mm・F/5.5で撮影すればボケますが、一体どこから撮るんだと言うほど離れた場所から撮影しなくてはいけません。
もちろんオシャレなカフェで、ドリンクの背景をボケさせて撮るなんて無理です。
これは私が300mm・F/5.6で撮影した写真ですが、背景はボケていますよね。
ダブルズームキットでも大きなボケは不可能ではありませんが、望遠限定だと思ってください。
ダブルズームキットが向いている人
ダブルズームキットが向いている人
- 仕事でカメラを使う
- ボケとかいいから高画質で写真を残したい
- 交換レンズとか分からないのでスターターキットが良い
お仕事で建物や道路、お客さんの写真やSNSに投稿するための写真を撮りたい方。
ボケとか芸術的なことはいいので、とにかくスマホより高画質な写真を残したいとお考えの方は、ダブルズームキットが向いています。
また初心者なのでカメラやレンズのことが良く分からない方も、初めからカメラもレンズも揃っているダブルズームキットを購入して、後々レンズのことを勉強されるのも良いと思います!
ダブルズームキットなら低価格でカメラとレンズを揃えられますので、これらの方にはオススメですね。
ダブルズームキット以外の選択肢
ダメダメって否定するだけじゃダメですよね。
じゃあ何を買えば正解に近いのか?
ダブルズームキット以外の選択肢
- カメラ+便利ズーム
- カメラ+単焦点レンズ
ただ撮るだけではなく、本格的に写真を趣味にされたいなら、上記の組み合わせでカメラを始められるのが良いと思います!
まず【カメラ+便利ズーム】の組み合わせ。
便利ズームとはその名前の通り、便利な焦点距離のズームレンズです。
50mm前後の焦点距離が使用頻度が高いと言いましたが、便利ズームは24-120mmくらいをカバーしてくれるズームレンズ。
広角から中望遠までを1本のレンズでカバーしますので、レンズ交換をする必要がほぼありません。
また高倍率ズームと言いまして、28-300mmをカバーしていまうレンズもあります。
ダブルズームキットのレンズ2本を1本にまとめて、レンズ交換する必要がなくなった超便利レンズですね。
次が【カメラ+単焦点レンズ】の組み合わせ。
単焦点レンズとはズームレンズと違って、ズームが一切できないレンズです。
なのでもちろん不便です(笑)
その代わりに高画質であるのと、F/1.8など明るいレンズばかりなので背景を大きくボケさせることができるレンズです。
また、ズームが出来ませんのであなた自身が撮りたいものに近寄ってみたり離れてみたりと、考えながら写真を撮るクセがつきますので、写真の上達が早まると言われていますね。
はじめての単焦点レンズは50mm単焦点レンズがオススメです。
50mmは標準と呼ばれ、一番クセがなく基本となる焦点距離。
50mmを基本として、あとから必要に応じて広角レンズや望遠レンズを買い足していくスタイルとなります。
まとめ
ちょっと長くなってしまいましたが、まとめると。
ダブルズームキットの良いところ
- 初期費用が大幅に抑えられる
- 広角から超望遠までを体験できる
- カメラとレンズがセットなので買い方が分かりやすい
ダブルズームキットの悪いところ
- レンズ交換の回数が増えやすい
- 背景がボケにくい
- カメラのことが分かってくると使わなくなる
ダブルズームキットが悪いと言っているわけではありません。
ですが、私の場合は「ダブルズームキットじゃなくて、便利ズームか単焦点レンズにしておけば良かったなぁ」と後から思ったので、これからカメラを始めようとしている方で、なにを買えばいいのか?ダブルズームキットっていうのを買っておけばいいのか?
と悩んでいる方のために、私が実際にダブルズームキットを購入して思ったことをお伝えさせていただきました。
私がはじめにダブルズームキットを購入して、後に単焦点レンズを購入していろいろと経験したあとで思い返せば、はじめてカメラを購入するときは【カメラ+便利ズーム】か【カメラ+単焦点レンズ】が良いと考えています。
お金があるのであれば【カメラ+便利ズーム+単焦点レンズ】が、最強のスタートダッシュを決められる買い方ですね!