FE 100mm F2.8 STF GM OSS(SEL100F28GM)は、被写体と背景の距離感を美しく表現できる「STF(スムーズトランスフォーカス)機能」を搭載しており、通常のレンズよりも柔らかく美しいボケ味を実現します。
ボケ感だけでなく解像度にも優れており、色収差やムラのない美しい写真を撮れますし、フォーカスも速く、静音性にも優れているため、野生動物やスポーツなどのアクションシーンを撮影する際にも重宝します。
それでは今回は、ボケ感が魅力なFE 100mm F2.8 STF GM OSS(SEL100F28GM)の特長や、実際に購入された方の評価やレビューをまとめましたので、購入を検討されている方の参考になれれば幸いです!
FE 100mm F2.8 STF GM OSSの特長
更にOSS(光学式手ブレ補正)機能により手ブレを軽減し、よりクリアな写真を撮ることができます。
FE 100mm F2.8 STF GM OSSは、その美しいボケ味が高く評価され、ポートレートや花、風景などの被写体を美しく描写出来るレンズ。
そのボケ味を唯一無二と言える描写ですので、プロ・アマチュア問わず人気のレンズとなっています!
STF(スムーズトランスフォーカス)機能とは?
レンズのデザインや操作性
レンズは性能だけでなく、デザインや操作性も大事。
特にアマチュアは趣味として写真を撮っているわけですから、レンズのデザインも良い方が所有欲を満たせます!
FE 100mm F2.8 STF GM OSSの、レンズデザインと操作性の詳しく見て行きましょう!
妥協のない質感とデザイン
FE 100mm F2.8 STF GM OSSは、SONYのレンズラインナップで最上位の「G Master」なので、デザインや質感は高級感があります。
ボタンやリングが数多く配置されているレンズですが、SONYらしいスタイリッシュなデザインとなっており、その見た目から機能性の高さと高級感を感じることが出来る仕上がり!
最上位レンズらしい操作性
レンズには数多くのボタンとリングが配置されています。
操作性を高める機能が多数
- フォーカスホールドボタン
- 絞りリング
- 絞りリングクリック切り換えスイッチ
- フォーカスモードスイッチ
- 手ブレ補正スイッチ
- マクロ切り替えリング
など、操作性を高めるための機能が詰め込まれています。
慣れるのには時間が掛かるでしょうが、ボタンやリングの配置を把握してくると、かなり快適な操作性となりますね!
唯一無二なレンズ性能
オードドックスなレンズでは無く、特殊なレンズですが、実際の性能はどうなんでしょうか?
解像力やボケの特長を見て行きましょう!
独特なボケ味と高い解像度
STF機能によりボケ味は非常に美しく、特に被写体と背景の間に生じる滑らかで自然なグラデーションは、プロのカメラマンからも高く評価されています。
ボケ味に注目が集まるレンズですが、解像力の高さも見逃せません!
レンズ構成は10群13枚。
その内、非球面レンズ1枚・EDレンズ1枚・アポダイゼーション(APD)光学エレメントが配置されています。
レンズコーティングは「ナノARコーティング」を採用しており、ヌケ感が良く透明感のある写りが特長のレンズですね!
レンズの性能がざっくりと分かるMTF曲線を見ても、F値開放から解像度が高く、F/8にまで絞れば周辺の画質もかなり高まります。
高速高精度なオートフォーカス
AFの駆動には「ダイレクトドライブSSM(DDSSM)」を搭載。
超音波モーターで高いトルクと速度があり、高速・高精度・静粛性に優れるオートフォーカス。
AF駆動音が静かなので、動画撮影にも向いていますね!
FE 100mm F2.8 STF GM OSSが向いている人
FE 100mm F2.8 STF GM OSSは非常に大きくボケるため、ポートレート、お花、風景写真など、美しく柔らかいボケ味を求める方に向けたレンズ。
大きな背景ボケで、被写体が浮き上がるような写真を撮りたい方におススメですね!
FE 100mm F2.8 STF GM OSSの欠点
レンズのF値はF/2.8からとなっていますが、STFフィルターにより光量が減少するため、実際はF/5.6が開放F値となります。
そのため光量が少ない環境だとシャッタースピードが遅くなり、三脚を使えない状況だとISO感度を上げるしかないですね。
STFという特殊なレンズとなるため、価格が高いのもデメリット。
実売価格は160,000円前後となっているため、ポンと買える価格では無いですし、使いどころも限られるので、万人向けのレンズではありません。
FE 100mm F2.8 STF GM OSSのレビュー
※レビューは価格.comより引用しています。
FE 100mm F2.8 STF GM OSSの良い評価
何と言っても特筆すべきはアポダイゼーション光学エレメントを実装している点です。
レンズの周辺にいくほど通る光の量(透過光量)が少なくなる特殊なNDフィルターのようなエレメントがレンズ鏡筒内に内蔵されています。
これによりセンサーに取り込まれる光量はある程度が犠牲となる反面、柔らかな独特の背景ぼけや滑らかな玉ぼけの描写が実現できています。
特に玉ぼけは玉ねぎのような模様にならない極めてスムーズなぼけです。
比較として写真の4枚目にFE 100mm F2.8 STF GM OSS、5枚目にFE 50mm F1.2 GMに玉ぼけのサンプルをアップしています。
撮影日は違いますが、同じ光源による撮影です。
FE 50mm F1.2 GMの玉ぼけも綺麗ですが、輪郭部には少しエッジを感じるとともに、僅かながら玉ねぎ模様が残存します。
一方、FE 100mm F2.8 STF GM OSSは、グラデーションが入った滑らかな玉ぼけになっています。
-
ピント面は圧倒される解像感…。
コンセプトや写りの質感は異なりますが、昨年登場したFE 50mm F1.2 GMのような最新レンズにも負けず劣らずの解像感です。
極め付きは絞り解放から滑らかな玉ぼけに口径食が発生しない描写。
まん丸な玉ぼけが背景に浮かび上がります。
まさにイリュージョンでも見ているかのよう…。
採用される1枚の非球面レンズは超高度非球面XAレンズではなく普通の非球面レンズにも関わらず、このシルキーな玉ぼけの描写はホントすごいと言うほか、言葉が見つかりません。
-
背景ぼけは決してごわごわしたりせず、滑らかに滲み溶けていきます。
フワッとした質感でありながら、ピント面は鮮烈、シャープな像を結ぶのだから、非の打ちどころのないレンズ。
相反する要素を高い次元で両立しています。
このギャップが独特の画を醸し出しているような気がします。
また、撮影していて逆光時でのフレア耐性がとても高く感じます。
妙なフレアが突如現れたりと言うことが無く、ゴーストへの耐性も強い。
だから逆光での撮影でフレアに悩まずシャッターを切ることができます。
被写体を選ぶレンズ
描写は驚くほどシャープ。瞳AFで睫毛までビシッと写るし、やはりボケ味が美しい。さすがはSTFレンズだとは思うが、一方で玉ボケが丸く出るため、ある種不自然にも感じる。画面の端のボケがレモン型になる方が、むしろ我々昔から写真をやっている人間からすると、立体感を覚える。題名の通り、被写体(バックのボケを含め)を選ぶレンズではないか。
唯一無二の個性
ボケと解像力は流石「本家の新世代STFレンズ」を感じさせるものでした。
開放から周辺までしっかり解像し、近距離でも遠景でも細い線で画像周辺部まで緻密に描画します。
あまりにもボケがなめらかなため、主題のない撮影では眠く感じる場合もありますが、主題が明確な場合は圧倒的存在感を示してくれます。
作為的な程までに滑らかなボケは、作為的ながらもPCの後処理では再現できない自然さがあります。
-
開放が暗いため室内では感度が上がりがちですが、手ブレ補正があるためシャッター速度を遅めにして明るさを稼ぐのも容易です。
無補正では直線の被写体で見て分かる程度に少し糸巻きの歪曲があるようですが、補正ONで問題なく補正されます。
今時はRAW現像ソフトでもレンズプロファイルで軽微な歪曲は綺麗に補正してくれるので特に問題にはならないと思います。
-
本当に口径食が無いので積極的に光源丸ボケを撮っていけます。他社のAPDレンズとはここが最も違うところでしょう。
強い点光源を撮ると周辺に従って暗くなる特徴的な滑らかな丸ボケが出ます。非球面でありがちな丸ボケの年輪もでません。
逆光は太陽では検証していませんが、街灯などで気になるゴースト・フレアは出ませんでした。
ソニーのナノARコートのレンズはかなり逆光に強いので心配ないと思います。
-
表現力に関しては他レビューサイトでも皆様絶賛の通り文句なしです。
単焦点にしては開放T5.6と暗いレンズなのでそこだけは運用上注意が必要です。
-
考えず撮るだけの初心者のうちはなかなか良さが分かりにくいレンズだと思いますが、主題を明確にして撮影する中上級者にとってこれほど明快なキャラクターを持ったレンズは他にないでしょう。
口径食までこだわった本家STFレンズ初のAF対応、G MASTERブランドとして納得できる出来のレンズであると私も思っています。
Eマウントを使っていて、このボケ・解像度を得たい方には間違いなくオススメです。
今後も魅力的なレンズがEマウントに出ることを祈りながら締めとさせていただきます。
FE 100mm F2.8 STF GM OSSの悪い評価
「気を使わせるレンズ」という意味で星3つ。
7IIIを購入後、一番最初に買いました。
目的は、モデルのバストアップ限定用レンズとして。
また、動画でのパフォーマンスを期待してます。
写りは狙った通り、いいですね。スタジオ撮影で、モデルさんの質感がよく出ます。
ピント面の実力というか、説得力はすごくあります。
-
しかしプライベートでの運用となると話は別。
室内で子供を撮るのは×。ISO3200は覚悟ですかね。
野外だと、その被写体との距離を考えてないと、ボケ味でません。
スイートディスタンスと言いましょうか、各被写体ごとにそれが当然存在します。
135の方が汎用性はあったと思います。(α900の時の体験から。
しかし、ハマった時のボケ味は、流石のSTFじゃ無いでしょうか。
FE 100mm F2.8 STF GM OSSの公式作例
※画像引用元:ソニー
FE 100mm F2.8 STF GM OSSのスペック
発売日 | 2017年 3月24日 |
対応マウント | SONY Eマウント |
フルサイズ対応 | ○ |
レンズ構成 | 10群13枚 |
絞り羽根 | 11枚 |
焦点距離 | 100mm |
最短撮影距離 | 0.57m |
最大撮影倍率 | 0.25倍 |
開放F値 | F/2.8(実質F/5.6) |
画角 | 24° |
手ブレ補正 | ○ |
防塵 | ○ |
防滴 | ○ |
フィルター径 | 72mm |
本体サイズ | 85.2x118.1mm |
重量 | 700g |
実売価格 | 160,000円前後 |
まとめ
FE 100mm F2.8 STF GM OSS(SEL100F28GM)は、Sonyが誇る高性能レンズのひとつであり、ポートレートや静物、風景写真など、美しいボケ味を求める方にとっては気になるレンズ。
このレンズの最大の特徴は、STF(スムーズトランスフォーカス)機能によって生み出される柔らかく美しいボケ味であり、その質感は非常に高く、写真を美しく彩ります。
デザインも非常に美しく、高級感あふれる質感がありますが、他のレンズに比べるとやや重いため、長時間の撮影には疲れを感じやすいかもしれません。
価格が高価であったり、レンズが重かったりとネガな部分はありますが、得られるボケ味は唯一無二ですので、スペシャリティーなレンズと言えるでしょう!
FE 100mm F2.8 STF GM OSS SEL100F28GMのレビュー