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【F値とは?】カメラを買ったら真っ先に理解するべし!

梅野

カメラやレンズのスペック、レビューをまとめたブログです。 更に、カメラ初心者の方向けに基礎知識なども書いていきます! どうぞよろしくお願いいたします。

 

「F値を変えると何が起こるんだろう?」

 

 

F値の数値を変えると

  • ①光の入る量が変わります。
  • ②ピントの合う範囲が変わります。
  • ③画質が変わります。

 

 

 

F値(絞り値)を変えることで、主に3つの変化があります。

具体的にはどういう事なのかを、それぞれ見ていきましょう!

 

覚えなくてはいけない設定項目

一眼レフやミラーレスを購入して、まず驚くのは設定項目の多さ!
いちどに全部覚えるのはむずかしいですので、1つずつ確実に理解していきましょう。
・F値←いまココ ・露出 ・シャッタースピード
・ホワイトバランス ・高感度(ISO)

 

 

 

F値を変えると取り込む光の量が変わる

 

レンズの中には絞り羽と呼ばれる部品が付いています。

この絞り羽が閉まったり開いたりすることで、さまざまな効果が生まれるのですが、その絞り羽の開き具合を調整するのがF値!

 

F値の数値が少ないほど絞り羽が開いた状態で、F値の数値が大きいほど閉まった状態となります。

もちろん全開に開いているほうが、多くの光を取り込めますのでシャッタースピードが速くなります。

 

夜の街中やイルミネーションを撮影しようとした時に、昼間と比べると手ブレが起こりやすいですよね。

これは夜は光が少ないので、カメラは長い間シャッターを開いてすこしでも光を取り込もうとするため。

 

シャッタースピードが遅いと手ブレが起こりやすくなるんです。

 

そのような暗い場面でも、F値(絞り値)を小さく設定すればシャッタースピードが速くなるので、手ブレが起こりにくくなるんですね!

 

反対にカンカン照りの日中に写真を撮ったら、写真が明るすぎる(白すぎる)

この時はF値を上げて絞り羽を閉めてあげることで、ちょうど良い明るさに調整することができます。

F値の話をする時によく使う用語解説①

・絞る:F値をちいさくする事。

・開く:F値をおおきくする事。

・開放:F値を最小値にすること。

まとめ

  • F値を上げると絞り羽が閉まり、小さくすると開く
  • 暗すぎるときはF値をちいさく、明るすぎるときはF値を上げる

 

 

F値を変えるとピントの合う範囲が変わる

 

F値を変えるとカメラに取り込む光の量が変わるのですが、同時にピントが合う範囲も変わるんです。

 

F値がちいさい(開放)ほどピントが合う範囲が狭く。

F値が大きいほど、ピントが合う範囲が広くなります。

 

 

ここで言っている「ピントの合う範囲が狭い・広い」は、横や縦の話ではありません。

写真の奥行のことです。

 

 

※f/1.8で撮影した写真

 

※f/22で撮影した写真

 

 

F値を大きくしている場合はピントの合う範囲が広いので、写真の手前から奥まで全体にピントが合います。

反対にF値を小さく(開放)の時は、ピントの合う範囲が狭いですので、写真の手前にピントを合わせると奥がピンボケしますし、奥にピントを合わせると手前がピンボケします。

 

一眼レフやミラーレスの背景をボケさせた写真は、F値を小さくすれば撮れるということですね!

 

F値の話をする時によく使う用語解説②


・被写界深度:ピントの合う範囲のこと。
・(被写界深度が)浅い:F値がちいさい状態でピントの合う範囲がせまい(浅い)こと。
・(被写界深度が)深い:F値がおおきく写真の手前から奥までピントが合うこと。

まとめ

  • F値が小さいとピントの合う範囲が狭くなる(背景をボケさせられる)
  • F値が大きいと写真の手前~奥まで、全体にピントが合う(風景写真に最適)

 

 

F値を変えると画質が変わる

 

明るさが変わる・ピントの合う範囲が変わる。

その次はなんと画質まで変わっちゃいます!

 

F値が小さすぎても高すぎても、レンズ本来の性能が出ないんです。

 

レンズは中央部がもっとも画質が良く、レンズの端に行くほど画質が落ちてしまいます。

高価なレンズほど端まで画質が良く作られていますが、さすがに中央と端がまったく同じとはいきません。

 

 

F値を小さくすると絞り羽が開くので、レンズの端まで使用します。

画質の悪いレンズ端を通った光も使うので、画質が悪くなるんです。

 

 

F値を大きくした場合は回折現象により画質が低下します。

 

回折現象とは、光や音などの波動が進むとき、障害物に遮られるとその背後に回り込む現象のことです。例えば、声が塀の向こう側に届くのも回折現象の影響です。
写真撮影においては、絞りの背後に回り込んだ光が撮像素子まで届かなくなるため、解像力の低下したねむい画質になってしまいます。この現象は、絞りの径を小さくする(絞り値を大きくする)ほど顕著に表れる特性があります。

引用元:Canon

 

レンズを通った光の一部が回り込むのですが、これが悪い光となり画質低下の原因となります。

 

回折現象の回り込む光はF値に関わらず一定。

ですがF値を大きくしている場合は、取り込める光の量が少なくなります。

 

すると良い光の量に対して、悪い光の量の割合が多くなりますので、画質が悪くなっちゃうんです。

 

数字で見るとこんな感じ

F値が小さい(良い光100)-回折現象(悪い光20)=80(画質)
F値が大きい(良い光  70)-回折現象(悪い光20)=50(画質)

※画像引用元:Canon(https://canon.jp/

 

風景写真を撮るときは全体にピントを合わせたいですので、F値を大きくするのですが、大きくしすぎると回折現象で画質が劣化。

実際にF値を上げすぎるとどうなるかは、下の画像をご覧になってください。

 

 

※画像引用元:Canon(https://canon.jp/

 

回折現象が起きているほうはシャープさが無く、デティールが潰れてしまっていますね…。

なので全体にピントを合わせたいからと言って、過剰にF値を上げないほうが良いです。

 

F値の話をする時によく使う用語解説③


・回折現象:真っすぐカメラに光が入って来ず、途中で曲がってしまう現象のこと。
      曲がった光は画質が悪くさせる光。

まとめ

  • F値を最小(開放)にすると、レンズの端も使うので画質が悪くなる。
  • F値を大きくしても回折現象で画質が悪くなる

 

最も画質が良いF値とは?

 

F値を上げすぎても下げすぎても画質は悪くなります。

ならばどのF値にするのが一番高画質になるのでしょうか!?

 

レンズによって多少差がありますが、開放から2~3段分絞ったF値がもっとも高画質となります。

 

例えばf/1.4が開放のレンズの場合、f/2.8からf/4あたりが最もレンズの性能を発揮できる値となるんです!

 

でも、結構F値が小さいですよね。

画質を優先すると、背景がボケた写真になってしまうわけですね。

 

小物を撮ったり人物を撮ったりする時には向いているF値ですので、開放から2~3段絞ってみて高画質な写真を撮りましょう。

 

 

F値はカメラのどこで変えられるの?

 

F値のことが何となく分かったところで、実際にF値を変えて撮影してみたいところですが、撮影モードが「Auto」の場合は変えることが出来ません。

F値を自分で変更したい場合は「Aモード(絞り優先モード)」にして下さい。

※Canonの場合は「Av」と表記されています。

※画像引用元:Nikon(http://www.nikon-image.com/

 


※画像引用元:Nikon(http://www.nikon-image.com/

 

Aモード(絞り優先モード)にした後は、モニター側にあるダイアルを回すことでF値の変更ができます。

機種によっては前側のダイヤルで変更する場合もあります。

 

Aモードにしてダイヤルを回すだけなので、難しいことはありませんね。

一眼レフやミラーレスを買ったのならAutoモードではなく、ぜひAモードを使ってください!

 

まとめ

  • F値を変えたい場合は「Aモード」に変更する。
  • ほとんどの人は「Aモード」で撮影している。

 

 

F値の具体的な使い道

 

それでは最後に、実際にF値はどう使うのかをご紹介します。

F値のことは理解できても、実際に撮影に出るとまた分からなくなっちゃったりしますかね!

 

 

 

「背景がボケた写真が撮りたいんですが」

 

背景をボケさせるときは、F値を小さくします。

F値が小さいほどボケますが、同時に画質も劣化しますので、一度最小にまで下げてみてそこから1回か2回ほどダイヤルを回してF値を上げてください。

 

それなら背景をボケさせつつも、高画質な写真が撮れます!

 

 

 

「F値を下げてもあまりボケないんですが?」

 

原因はおもに2つ!

レンズか距離のせいです。

 

まずレンズですが広角レンズになるほどボケにくくなります。

初めのころは焦点距離50mmのレンズが、使いやすくボケも大きく出るのでオススメです。

 

またズームレンズは最小のF値が大きいのでボケにくい。

ボケを表現したいならf/2.8以下のレンズがボケやすいです。

初心者の方にオススメしたいのは、f/1.8の単焦点レンズで画質が良くてボケやすい!なのに低価格!

別名「シンデレラレンズ」と呼ばれる単焦点レンズを使えば、ビックリするほど楽に背景をボケさせられます。

※2018年10月12日に更新しました。       単焦点レンズのことを調べて…

 

 

ボケにくい原因のもう一つは距離!

ピントを合わせる被写体と、背景の距離が近いとボケにくいです。

 

例えば室内の人物写真を撮ろうとすると、たいていの場合はすぐ後ろが壁ですのでボケにくくなります。

この場合は壁との距離を取るか、人物全体ではなく首から上を撮影するように写真に収める範囲を狭くすればボケやすくなりますよ。

 

 

「画面全体にピントを合わせたいんですが?」

 

ボケさせるのとは反対で、F値をおおきくして下さい。

F値がおおきいほど画面全体にピントが合うようになります。

 

F値を大きくすると回折現象で画質が劣化しますが、これはトレードオフ!

鋼の錬金術師で言うところの等価交換ですので、妥協するしかありませんね。

 

 

「F値を大きくしても一部がボケてしまいます!」

 

レンズの焦点距離のせいです。

標準レンズ(50mm)中望遠レンズ(75mm~100mm)望遠レンズ(100mm以上)のレンズは、画面全体にピントを合わせるのが苦手。

 

画面全体にピントを合わせたい場合は、焦点距離が28mm以下の交換レンズが向いています。

広角レンズでF値を大きくすれば、全体にピントが合った写真を撮ることが出来ます!

 

 

まとめ

 

F値とは何のことか分かりましたでしょうか。

いきなり全部を理解するのはしんどいと思いますので、また「あれ?F値ってどんな効果があったっけ?」と思ったときに見直してみてください。

 

初めのうちは「F値が小さいほど背景がボケる」「F値が大きいほどボケる範囲が無くなる」と覚えておけばOKです!

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